ほうれん草のヘルシードリア
帝京平成大学薬学部教授 金子希代子 先生
株式会社フォーラル管理栄養士 孰賀佳冬 先生
材料(1人分)
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冷凍ほうれん草50g
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たまねぎ1/4個
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しめじ1/4袋
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木綿豆腐小1丁
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コンソメ小さじ1/2
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みそ小さじ1/2
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ごはん1膳
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チーズ1枚
- 1人分
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エネルギー : 435kcal たんぱく質 : 20.7g 脂質 : 12.6g 糖質 : 59.5g 食物繊維 : 7.5g 食塩相当量 : 1.4g プリン体量 : 107.6mg エネルギー産生栄養素バランス(PFC)= P:19.0% F:26.1% C:54.9%
※エネルギー産生栄養素バランス(PFC):エネルギーを産生する栄養素(Protein:たんぱく質・Fat:脂質・Carbohydrate:炭水化物)のエネルギー比率を示したもの
作り方
- ほうれん草は常温に置いて解凍する
- たまねぎは薄切りにし、水にさらす
- 耐熱皿にしめじ、たまねぎを入れ、レンジに3分かける
- よく水を切った木綿豆腐にコンソメ、みそを合わせてトロトロになるまで混ぜる
- ごはんに具材、4を乗せ、チーズを乗せたらレンジに5分かける
管理栄養士からひと言
豆腐をホワイトソースのように使ったレシピです。
豆腐を使うことで、エネルギー・脂質は約50%減、たんぱく質は約2倍になります。
レンジだけではあまり焦げ目がつかないので、お好みで最後にトースターにかけてください。
豆腐で少し和風な味わいになるので、みそとコンソメで味付けしました。
色々な食材でアレンジしてみてください。
コメント
尿路結石の種類としてはシュウ酸カルシウム結石が最も多く、食品中のシュウ酸にも注意が必要であることを前回説明しました。シュウ酸カルシウム結石を予防するためには、尿中のシュウ酸濃度を下げる必要があります。シュウ酸は体内でも生成されるため、食事由来のシュウ酸はシュウ酸の尿中排泄量の15~50%と言われています。15~50%と幅がある理由は、シュウ酸の吸収がシュウ酸の状態によって変わるためです。
食品中のシュウ酸は、えぐみや舌に残る不快な味の元であり、可溶性のシュウ酸およびシュウ酸塩、または、不溶性のシュウ酸カルシウム塩として存在しています。シュウ酸カルシウム塩は、消化管内で溶けにくく吸収されないため尿中に移行する率は少ないことがわかっています。一方、可溶性のシュウ酸またはシュウ酸塩は、消化管から吸収されて尿中のシュウ酸排泄量を増加させます。
そのため、シュウ酸を多く含む食品は、カルシウムを含む食品と一緒に食べることで、消化管の中で不溶性のシュウ酸カルシウム塩に変化させて吸収されにくくすることができます。
今回のレシピでは、シュウ酸を多く含むほうれん草を、カルシウムを多く含む豆腐のクリームでドリアにすることで、シュウ酸を過度に吸収しないように工夫しています。牛乳を使ったホワイトソースでもシュウ酸の吸収は抑えられますが、豆腐にすることでエネルギー、脂質、たんぱく質の比率が変わり、よりヘルシーになっています。ほうれん草はポパイが食べて元気いっぱいになったように、栄養の豊富な食品です。カルシウムと一緒に摂って、健康な食生活を送ってください。